No.13(共和政ローマ@)  : 

「『ローマ(の民主政)は一日にしてならず』とはどういうことか?」         

ローマは初め、異民族のエトルリア人の支配を受けていた。その後王政を廃止し共
和政になったが、それは貴族のみによる貴族共和政であった。そして、貴族と平民
の身分闘争の末に平民が勝ち、B.C.287年のホルテンシウス法制定で、貴族が構
成する元老院の承認なしで平民会の決定が国法となる民主共和政が成立した。こ
れらの背景には、イタリア統一戦争で平民が重装歩兵として活躍したことがある。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
ローマが出てくる有名な英語の諺をいくつか知ることにより、古代ローマの学習に大
きな意欲を持って取り組んでいる。

思考・判断:
ローマの貴族共和政がホルテンシウス法の制定によって民主共和政となるまでに到
る、長くて険しいプロセスについて、イタリア統一戦争における平民の活躍と、貴族に
対する身分闘争の勝利が連動していることに注目しながら、段階的・多面的に考察し
ている。

資料活用の技能・表現:

イタリア統一戦争の進展と平民の政治的発言力向上の過程を、それぞれ横に並べた
二つの年表にまとめることにより、その因果関係を時系列で確認している。

知識・理解:
元老院を中心に、貴族が強大な主導権を維持したローマの民主政について、短命に
終わったアテネの民主政との相違点に注目しつつ、基本的な知識を身につけている。